私たちが見落としがちなこと
「群衆の中の一人がイエスに言った。『先生。遺産を私と分けるように、私の兄弟に言ってください。』」(ルカの福音書12章13節)
このことばはある人物がイエス様に遺産相続について相談をもちかけた時のことばですが、親を失ったことによって将来に不安を抱えたであろうことを考えると、この人の相談は決して欲深いものとは言い難いものです。ところがこれに対してイエス様は次のように答えたのです。
「どんな貪欲にも気をつけ、警戒しなさい。人があり余るほど持っていても、その人のいのちは財産にあるのではないからです。」(ルカの福音書12章15節)
とても厳しいようにも感じますが、このことばは、私たちが「生活」という現実の問題を前にすると、重要な事実を見失ってしまう恐れがあるということを教えるものです。
それはたとえ裕福になったとしても、それは将来の私たちの人生といのちを保証するものではなく、また、たとえ人生において豊かであっても、いつ訪れるかわからない死を前にしたら、それらのものは全く意味のない、虚しいものだということです。
そしてイエス様は、私たちにとって最も大切なことは、私たちの不安の根源である死そのものを解決することだと教えます。これを解決するならば、私たちは現実の問題に惑わされない、確かな安心を手に入れることができるのです。
その解決方法こそ、イエスキリストの救いを受け入れるということなのです。
「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます。」(使徒の働き16章31節)